シミにはどんな種類がありますか?
シミとは皮膚の色素が局所的に増えている状態を総称した言葉です。従って「シミ」といってもいろいろな状態が含まれています。一般的には老人性色素斑(いわゆるシミ)、そばかす、肝斑、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、炎症後色素沈着(PIH)に分けられます。
1.
老人性色素斑:一般的に「シミ」といわれているものです。淡~濃褐色の境界がはっきりとした隆起のない色素斑で、顔面を中心に単独で存在したり時に多発したりします。
2.
そばかす:1~数㎜の細かい褐色色素斑が両頬~下眼瞼~鼻根部まで散在している疾患です。子供の頃に出現し、思春期に目立つようになりますが、年齢とともに消えていきます。
3.
肝斑:頬骨・前額部などにびまん性、もしくは網目状を呈する褐色の色素斑で、16歳以上に見られます。女性に圧倒的に多く、季節や年齢などの経時的な変動が認められます。
4.
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス):成人以降に初発する、灰色~褐色の色素斑です。好発部位は頬骨の突出している部位で、額の両外側にも発症します。肝斑に比べ季節や年齢による変化が乏しい傾向にあります。
5.
炎症後色素沈着(PIH):湿疹、かぶれやニキビなどでは症状があるとき「炎症」という状態になっており、皮膚ではメラニン色素が作られています。そのためそれらの症状が治まったあとにはメラニン色素が皮膚に沈着してしまいます。また外傷や熱傷などの皮膚の損傷が治癒したあとにも同様の色素沈着を生じることがあります。
シミ取りをしたいのですが、どのような治療になりますか?
シミは上記したようにいくつかに分類できますので、その症状に応じた治療を行う必要があります(治療の詳細は各項目をご覧下さい)。
1.
老人性色素斑:治療法としては、ⅰ)外用療法ⅱ)光治療ⅲ)レーザー治療 などがあります。ⅰ)外用療法では表皮のターンオーバーを促進させるトレチノインを塗布して治療していきます。細かい老人性色素斑が多発しているときには0.05%トレチノインを、スポット的に濃く大きな色素斑がある場合には0.1%トレチノインを使用します。手軽な治療法ですが、効果はやや弱いです。ⅱ)光治療は当院ではライムライトを用いた治療となります。治療後すぐにお化粧ができますので、お仕事上テープ保護などができない方に適しています。ⅲ)レーザー治療はメラニン色素を直接破壊するため、十分な効果が期待できます。当院ではQスイッチNd–YAGレーザーを用いて治療を行います。なお、隆起している脂漏性角化症に対しては当院では液体窒素による凍結療法を行っています(保険適応有り)。
2.
そばかす:ビタミンCのイオン導入やライムライトを照射することで、薄くなった状態を維持していきます。
3.
肝斑:トラネキサム酸の内服が第一選択です。そのほかビタミンCのイオン導入やQスイッチNd-YAGレーザーを低いエネルギーで顔全体に照射するレーザートーニングをすることもあります。
4.
ADM:レーザー治療が有効な場合があります。
5.
炎症後色素沈着(PIH):炎症後色素沈着は「炎症」が生じたあと発生するものですから、レーザーや光治療などの一時的に炎症を起こさせるような治療では改善させることができません。逆に何も積極的な治療を行わなくとも徐々に改善していきます。その期間は部位により若干の違いがあり、顔面で半年、上肢で1~2年、下肢で3~4年と言われています。
治療は痛いですか?
レーザー照射の際、若干の痛みを伴いますので、原則麻酔テープを貼付した上で照射します。それにより痛みはかなり緩和されます。
テープの中の照射した皮膚が濃い茶色になっていますが、大丈夫ですか?
照射部位は照射後3,4日してかさぶたになり、半透明なテープを通して濃い茶色に見えます。これは1,2週間ほどで取れますので、ご安心ください。
治療後なぜテープを貼るのですか?
炎症後色素沈着(PIH)を予防するためです。レーザー照射を行った際、注意をしなければならない点として、照射部位のPIHが挙げられます。照射後数日で患部に濃い褐色のかさぶた(痂皮)ができ、7~10日で取れます。かさぶたが取れたあとの患部は薄いピンク色ですが、2,3週間後PIHが生じることがあります。PIHは時間とともに薄くなりますが、最終的にわからなくなるまで数ヶ月かかることもまれではありません。PIHが生じる最大の原因は、患部への刺激と考えられていますので、患部に最低1週間は必ず保護するテープを貼る必要があります。
施術後洗顔や化粧は可能ですか?
当日洗顔は可能ですが、保護テープがはがれないよう優しく行ってください。翌日以降テープを貼った上からお化粧をすることも可能です。2週間後テープを剥がしたあとは、こすらないようにできるだけ優しくお化粧をしてください。
一度の治療でいくつのシミが取れますか?
一度に多数のシミを取るとケアが十分にできずPIHを来す危険性が高まりますので、一回あたりの施術数を制限しています(詳しくは診察時におたずねください)。
QスイッチNd:YAGレーザーで盛り上がったシミは取れますか?
盛り上がったシミは取ることができません。炭酸ガスレーザーでの施術となります。
保険適応はありますか?
レーザーによる治療は保険適応ありません。費用はこちら。
光治療とレーザー治療の違いは何ですか?
レーザー治療がシミにピンポイントで照射し、取り除くのを目的とするのに対し、フォトブライトはエイジングに伴う様々な皮膚変化(シミやくすみなど)を総合的に改善させることを目的としています。治療後照射部位には小さなかさぶた(マイクロクラスト)ができる程度で、レーザー照射で見られるダウンタイム(色素沈着などを経て元の状態に戻るまでの時間)もほぼありません。従って治療直後からお化粧もでき、患部をテープなどで保護する必要がありませんが、その分治療効果は穏やかなものとなります。輪郭のはっきりした濃いシミはレーザー治療の方が効果的です。ライムライトはお仕事などの関係上テープを貼ることができない方には最適で、定期的に照射することでくすみの無い状態を維持することができます。
フォトブライトは従来の光治療とどのようなところが違いますか?
従来の光治療器は元々白人の方用に開発されたもので、それを黄色人種である日本人の治療にそのまま用いてきました。一方フォトブライトで使用するライムライトは日本人の肌(色白の方から色黒の方含む)を考え、日本人女性医師とキュテラ社が共同で開発したものです。そのため日本人の肌質に合った適切な光を最適な条件で照射できるようプログラムが組まれており、シミやソバカスに対して、より高い効果が得られると考えられています。
施術後洗顔や化粧は可能ですか?
治療後すぐに洗顔可能で、お化粧をしていただけます。
治療後注意すべきことは何ですか?
治療後の皮膚は紫外線の影響を受けやすい状態になっています。シミの再発や色素沈着を防ぐため、日焼け止めを必ず使用し、紫外線対策をしっかりと行ってください。
施術の際、痛みはありますか?
光を照射する瞬間、パチンと輪ゴムではじかれたような痛みがありますが、苦痛を訴えられる方は多くありません。痛みが強い場合には照射線量の調節などで痛みを軽減させることも可能です。
日焼けしていますが、受けられますか?
日焼けのあとは皮膚のメラニン色素量が増えているため、日焼けが落ち着くまでは施術できません。通常最低2週間以上は明ける必要があります。
シミは1回の治療で消えますか?
レーザーとの違いでも記していますが、光治療は1回で劇的な効果が見られるというものではなく、回数を重ねるごとにシミを薄くし、顔全体のくすみを徐々に明るいトーンにしていく治療です。
お試しコースはありますか?
まず一度試してみたいという方には、目の下5センチの範囲に照射する部分照射をお勧めします。部分照射で効果を実感され、次回以降全顔コースに移行される方もたくさんおられます。部分照射は初回のみですが、10,000円(税込み)となっているため、お試しいただきやすい金額設定となっています。
治療間隔と回数を教えてください
症状や反応にもよりますが、基本的には4週間隔で3回の治療を1クールとして推奨しています。症状の改善が見られたあとはメンテナンスのため、数ヶ月に一度を目安に受けられるのがおすすめです(メンテナンスパックもご用意しています)。
来週結婚式ですが、受けられますか?
フォトブライトは施術直後からお化粧ができますが、施術後1週間から10日ほどで小さなかさぶた(マイクロクラスト)ができることがあります。従って大事なご予定がある場合は、その2週間以上前に治療を受けることをおすすめします。
エステサロンで行われる脱毛と医療機関での脱毛は何がどう違いますか?
医師や看護師などの有資格者が治療を行うか否かが最大の違いです。医療機関には医師が常駐していて施術中に万が一トラブルが生じた場合でも対応できるため、国から医療用の特別な機器の使用が認められています。
光脱毛を考えた場合、使用する機器の出力(脱毛を行うパワー)が医療機関とエステサロンでは全く異なります。当院で導入しているキュテラ社プロウェーブは、アメリカFDA(食品医薬品局)から永久脱毛の定義である永久減毛(Permanent Hair Reduction)という承認を得ており、ワキで平均5,6回、足では4,5回前後で8割以上の減毛効果が認められます。しかしエステサロンで使用する機器はどうしても出力が弱いためワキでも20回コースなどが設定されています。これだとも2年近く治療が必要になり、生活環境の変化次第では目的を達する前に治療中断ということも起こりえます。また脱毛は光を照射して毛及び毛を作り出す組織を熱損傷させることで効果を得ますので、理屈の上ではやけどをする可能性があります。医療機関であれば診察によりまず今の肌の状態が脱毛を行える状態か判断ができますし、万が一やけどになったとしても適切な治療や投薬を受けられます。
つまり有資格者がいることで強力な機器が使える→少ない施術回数で済み治療終了まで短期間で終わる、万が一のトラブルにも安心、というところが大きな違いです。
肌が弱かったりアトピー性皮膚炎を持っていたりしても脱毛できますか?
治療は可能です。ただアトピー性皮膚炎後の色素沈着が強い場合、その部位に熱傷を生じる可能性があるため、外用剤などで改善させた後に治療を開始した方が無難です。またケロイド体質の方は治療をお勧めしていません。
痛みはありますか?
腕や足、ワキなどでは多少の痛みは有るものの(ゴムではじかれたような痛み)、強力なクーリング機能を備えた機械で治療を行いますので、通常は麻酔無しで施術可能です。ご希望の方には麻酔クリームを使用することもできます(有料)。なお、男性のヒゲ脱毛は全例麻酔クリームを使用します(施術料に込み)。
産毛にも効果がありますか?
プロウェーブは患者さんの肌色や毛質に合わせてモードの設定を変更できますので、産毛にも対応できるようになりました。ただし太い毛に比べると効果は若干劣ります。
施術は誰が行いますか?
基本的に医療資格を持った女性看護師が行います。
脱毛前に気をつけることはありますか?
日焼けをされますと脱毛効果が落ちるだけでなく、施術による肌トラブルの可能性が高くなります。
脱毛後、日常生活で注意することはありますか?
施術後2,3日は入浴時過度にこすったり熱いお湯をかけたりしないでください。また施術部位はなるべく日焼けしないようにしてください。
脱毛する前日までの毛のお手入れはどうすれば良いですか?
施術の前日、ご希望部位をカミソリで剃ってお越しください。また施術の2~3週間前から毛抜きでの処理はお控えください(治療効果が劣ることがあります)。
妊娠中は治療できますか?
妊娠中の方は治療できません。
未成年の脱毛はできますか?
当院では高1~より施術可能ですが、成長期にある方は効果が不十分となる可能性があります。
通院するペースや回数、1回にかかる時間はどれぐらいですか?
個人差や脱毛部位にもよりますが両ワキ下の場合、約6~8週に1度のペースで,合計5,6回の通院が必要です。施術に要する時間は約30分です。両膝下の場合には約60分の施術で4,5回の通院が必要となります。
痛みはありますか?
強い痛みはありませんが、ピリピリとした刺激を多少感じる場合があります。その方の状態に合わせて行います。
効果を実感するにはどれぐらいの頻度で受けるのが良いでしょうか?
1回/1~2週くらいのペースをお勧めします。3・4回目くらいからお肌の変化を実感する方が多いようです。
アトピー性皮膚炎なのですが、受けることができますか?
基本的に受けていただくことは可能です。イオン導入施術後は肌がしっとりしますので、むしろお勧めいたします。
ニキビがあるのですが、受けることはできますか?
イオン導入で使用するAPPSには、皮脂の分泌を抑制する効果があります。肌に浸透させることで、毛穴内部に皮脂が溜まりニキビが悪化するのを抑える作用が期待できます。ただ、あくまでも穏やかな効果に留まりますので、すでに発生したニキビの症状緩和や悪化防止といった補助的なものとお考え下さい。一方ニキビはひどい炎症を起こしてしまうと色素沈着が残ります。一度残ってしまった色素沈着は薄くなるのにかなりの時間を要しますが、イオン導入を行うことで改善するスピードを速めることができます。皮膚科でのニキビ治療と並行して行うことをお勧めします。
施術を受けられない人はいますか?
妊婦さん、ペースメーカーを装着されている方。美容手術を受けておられる方(金の糸、縫合手術など)はお受けいただけません。
Copyright (C) いでい皮ふ科. All Rights Reserved.