かつて「青春のシンボル」といわれたニキビ(尋常性痤瘡)は、平均13歳ぐらいからおでこや鼻に肌色の皮疹(白ニキビ)の形で現れてきます。
この年齢になると、ホルモンの影響により顔などにある脂腺性毛包で皮脂が増え始め、毛穴から出ていくため肌がベタベタしてきます。と同時に毛穴の入り口が異常角化によって狭くなり詰まり始めるので、皮脂が毛包から出られず溜まっていきます。この状態が肌色の皮疹(面疱)です。
毛穴に溜まった皮脂の中でアクネ菌(P.acnes)が増えていくと、炎症が引き起こされ、赤いニキビ(丘疹・膿疱)となっていきます。更に状態が進むと炎症が周りに拡がってしまい、へこみを残すことがあります。
ニキビは毛穴が詰まることによって毛包内に皮脂が蓄積し(面疱)、蓄積した皮脂でアクネ菌が増殖して炎症を起こしている状態(丘疹・膿疱)です。従ってこれらを改善していくことが治療の目的となります。
現在毛穴のつまりを解消するお薬として、表皮細胞が硬くなるのを防ぐアダパレンと、詰まってしまった角質を剥がして取り除く過酸化ベンゾイルがあります。いずれの薬剤も面疱には大変有効ですが、肌が乾燥しやすく、過酸化ベンゾイルはかぶれのリスクもあります。
増殖しているアクネ菌をやっつける薬剤としては、過酸化ベンゾイルの他、クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなどの抗菌薬があります。
お肌の状態に合わせて、これらの薬剤を、副作用を防ぎながら組み合わせて使っていきます。
症状が強い場合には、塗り薬に加えて、ビタミン剤や漢方薬、抗生物質などの飲み薬を併用することもあります。
一度大きく凹んでしまうと、薬では治せず、長く残る場合があるので、痕をできるだけ残さないことが治療の目標です。